お米ができるまで(講談社)

お米ができるまで(講談社)

2015年7月発売
イラスト:武田美穂さん
口絵写真:田丸瑞穂さん

今回は、お米づくりの世界を取材させていただきました。
ご協力いただいたのは、新潟県魚沼市の山のなかで、米作りにはげむ、
研究大好きで、生まれ変わったら研究者になりたいという、
若き米農家、「ダイヒョー」こと、小岩孝徳さんです。

ありがたいことに、小岩さんの家に寝泊りさせていただいて、
どっぷり、米農家の生活をにふれる機会をいただきました。
取材に行くたびに、遠くに見える雪山に感激し、
雪解けと同時にあぜ道に顔を出した、すみれなどの花々にうっとりし、
新緑のなかで行う田植えやトラクター操作に萌え、
(クルマ好きには、田植え機やトラクターはたまりません!)
秋に、黄金の稲穂が田んぼを覆ったときは、
その美しさに涙が出そうになりました。

農業は、ひとりでもくもくと作業することが多いものの、
まわりの農家さんたちと協力して、用水路の手入れをしたり、
先輩に教えてもらったり、農機具販売店の人とやりとりしたりと、
実は、人と関わることがとても多い仕事です。
小岩さんに、米農家になるために必要なことはときいたら、
「人付き合いが、きちんとできること」という答えが返ってきて納得です。

毎日、食べるお米が、
たくさんの研究と努力と誠意と愛情で育てられたことを、
感じてもらえたらうれしいです。