キリンの運びかた、教えます 電車と病院も!?(講談社)

キリンの運びかた、教えます 電車と病院も!?(講談社)

2018年6月発売
イラスト:たら子さん
全国学校図書協議会 2019年 第52回夏休みの本(緑陰図書)に選ばれました
厚生労働省 2019年 社会保障審議会推薦児童福祉文化財に決定しました

ある日、ぼんやりとテレビ画面を見つめていると、日本通運のTVCMが流れてきました。
それは、日通が手掛けた、埼玉県立小児医療センターの引越の映像でした。
衝撃でした。
病気やけがと闘うこどもたち。
いっしょに闘う医師と看護師、病院の関係者。
それをそのまま、病院機能を維持させながら運ぶ日本通運。
私のテーマである、命の大切さとチームワークが、そこにありました。
絶対に本にして、こどもたちに伝えたいと思いました。
この病院に、植田育也先生がいることも決め手でした。
植田先生は、日本でまだ数少ないPICU(小児集中治療室)を各地で立ち上げている先生です。
チャイルドシートを使わずに事故に遭い、
重傷を負って運ばれてくるこどもたちの治療にあたる植田先生は、
チャイルドシートの必要性をいつも大声で叫んでいらして、
私は勝手に「同志」と思っているのです。

編集担当のSさんと話し合い、3部作にしようということになりました。
ひとつは、どうやって運ぶんだろう?と想像するだけで楽しい、
キリンを運ぶ物語。
もうひとつは、私の大好きな重機が大活躍する、鉄道車両になりました。

3つの「運ぶ」物語。
取材中、なんども感じたのは、プロのプライドです。
ただ運ぶのではなく、そこにこめられた思いといっしょに運ぶ。
「俺たちに運べないものはない。」
運ぶ人たちのプロ魂、ぜひ、感じてください。